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二歩サガリ。。

同い年より、2才年下、二歩サガリ。 

たまたまガウディ☓井上雄彦展をやっていたので見てきたという話

おさんぽ 本と映画

 おばんです。

 ここ数日僕の身の回りのごたごたについて書いていたのですが、今日はとりあえずそれは置いといて、たまたま寄ったせんだいメディアテークで「特別展 ガウディ☓井上雄彦」を開催していたのでその感想を書きたいと思います。

 

www.gaudinoue.com

 

 前々から風のうわさでそういうコラボがあるとは知っていたのですが、まさかたまたま時間つぶしに訪れたせんだいメディアテークでちょうど開催されているとは思いませんでした。

 井上雄彦さんといえば、ちょっとまえに東本願寺親鸞和尚の屏風絵を描くなど、漫画家と呼んでいいのか迷ってしまうような活動もしているのですが、ストーリーも書けるしキャラも良いし絵も最高と、僕の知りうる限り漫画家さんで最高峰の技術を持つ人だと思います。そんな漫画界の天才が、建築界の天才ガウディとコラボするというのだから聞いてだけでもこれはとてつもないケミストリーが生まれそうですよね。

(……そういえば堂珍さんは今なにをしているのだろう。)

 

展示の感想

 正直な所、中途半端に建築系の学校を卒業しているくせにガウディに関する知識は一般の人のそれと同じかそれ以下な僕なのですが、今回の展覧会で僕の中のガウディの印象がガラッと変わりました。(てか元々がガウディに関してむちむち過ぎただけなんですけどね)

 展の前半で見られるのがガウディが建築家として大成するまでの半生。ガウディの幼少期を描いた井上さんの漫画と、彼が建築学校在籍時代にコンペ?に出したスケッチや図面をみることができます。

 

 まず、井上さんの絵にはほんっっとうに圧倒されます。あんまり漫画家の生原稿とか見たことが無いからなのかもしれませんが、ものすごいパワーのようなものを感じました。

 絵に顔をぎゅっと近づけてみると、普段の印刷された絵ではみることができない筆の運びや濃淡をみることができます。あぁ感激!!

 この紙に井上さんが筆を乗せ、人物やモノを形作っていくことでこの絵が完成し、それを10cmもない近さで自分が見ることができているのだと思うと、なんとも言えぬ感動がありました。だから若干絵から近すぎて周りの人たちから気味が悪がられても僕は負けません。えぇ、負けませぬとも。

 紙で思い出しましたが、今回の井上さんの絵はすべて和紙に書かれています。後半に展示されているのですが、世界最大の手すき和紙に描かれた絵もありました。あれはギネスだったのかと後から調べましたが、ネットでは「ギネス級」としか書かれておらず、おそらく世界最大の和紙に描かれた絵なはずですが、ギネスに申請していないのだと思います。

 

 それで次にガウディの初期の図面なのですが、ビビるぐらい綺麗です。本当に100年以上前に18とか20そこらの学生がこんな緻密な図面やスケッチを書いていたなんてとてもじゃないけど信じられません。道具や技術などすべてが揃う現代を生きる自分がいかに努力していなかったかがよくわかりますね。恥を知れ、しかるのちに死ね。

 井上さんの漫画にも描かれていますが、彼は幼少期からリュウマチの持病を抱えており、他の子供たちと同じように外を走り回ることができなかったそうです。その代わりにすべてのものをその目でよく観察し、スケッチしていたようです。

 

 展示はその後、建築家として名を馳せていくまでのガウディの図面や、バルセロナの学生が作ったガウディの建築物の模型のあいだあいだにちょこちょこ井上さんの漫画をはさみながら進んでいきます。

 個人的にガウディの展示で一番衝撃的だったのが、ガウディの設計した椅子ですね。

 

ガウディ 椅子 - Google 検索

 

 ガウディといえばアールヌーヴォー的な建築家の代表格と言ってもいいと思っているのですが、正直、僕あんまりアールヌーヴォー的な物が好きじゃないんですよ。あの必要以上に曲面を多用した感じがなんかあんまり機能的じゃない気がして僕の好みではありませんでした。

 でも、この展覧会では彼が設計した椅子を忠実に再現したものに実際に座ることができるようになっており、実際に座ってみて驚愕しました。ものすごく体にフィットするんです! 見た目ではわからなかったのですが、彼の設計はちゃんとアーゴノミックス(人間工学)に基づいて設計がなされており、その使う用途によってちゃんと機能的に作られているということがわかったのです。いやほんとガウディさん舐めてました。サーセン

 

 井上さんの方で僕が一番の目玉だと思ったのは、漫画の中で現在のサグラダファミリアを見上げた瞬間のガウディさんの顔ですね。くわしいことは実際に見に行って確かめて欲しいのですが、僕はあの絵を見て本当に引き込まれそうになってクラクラしました。たぶんそこだけで3分間ぐらいは立ち止まっていたかもしれません。

 

  あんまり褒めすぎているとつまらないので、この展覧会でビミョーだったところを2つ。ひとつはさっきも少し触れた井上さんの巨大な和紙に描かれた絵。

 正直、題材もよくわからないし前後のつながりも無いしで、ちょっと凡人の僕にはポカーンものでした。おそらく分かる人には分かるのでしょう。

 もうひとつが、中盤にある、床にガウディ風にタイルで形作られた魚や亀が投影されている箇所。いや、確かに子どもたちは喜ぶかもしれませんが、どうせやるならもっとちゃんと広いところでわかりやすく展示して欲しかった。これはどちらかと言うとこの特別展じゃなくてメディアテークだけかもしれないですけどね。

 

まとめっぽいもの

 でもやっぱり全体的に言って、大満足の展覧会でした。

 ガウディは世界の誰もが認める天才ですが、井上さんはそれに対峙しても遜色が無いほどの才能を持った人だと思います。逆に言えば、こんなコラボが成立するのは日本では井上さんぐらいしかいないかもしれないなと思いました。

 井上さんはガウディの設計した唯一現在も借りて住める世界遺産、カサ・ミラに実際に1ヶ月アトリエをひらいてガウディについて考えたそうです。

 展覧会でもところどころ二人の考え方が垣間見れましたが、ガウディは自然こそが最も安定した美しい構造体だと考え、鎖を逆さ吊りにした自然な放物線や貝殻の形を模倣したデザインを取り入れており、「私の師匠は、そこにある一本の木だ」という有名な言葉を残しています。

 それととても良く似ているのが、井上さんの漫画『バガボンド』では主人公宮本武蔵が剣の師匠をたずねられた時に、「強いて言えば、幼少のころ、父にしごかれたのと、あとは山。山にあるものすべてが師といえなくもない」というセリフで、井上さんも自然の摂理や法則についていろんな角度で表現をしているのが漫画のいたるところで感じられます。

 ちなみに、本当は展覧会の外で売っていたグッツなども買いあさりたかったのですが、僕には当分お金が無いのでしぶしぶ断念しました。絵のうえさんの絵をガウディのタイルのように六角形に切り出したジグソーパズルとか延々とやってみたかったです。井上さんのバルセロナでの滞在記やその間のスケッチ集などもあるようなので興味がある人はぜひ帰りによってみてください。

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